台風26号による伊豆大島の土石流災害現場での災害ボランティア活動

井上 英徳(東京都 防災士)

    台風26号による伊豆大島の土石流災害現場での災害ボランティア活動

 10月27日から30日まで、台風26号による伊豆大島の土石流災害現場へ、災害ボランティアとして活動してきましたのでご報告致します。

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 大島社会福祉協議会によると、毎日来てくれる島内ボランティアにも疲れの色が濃くなりつつあるので、以下の条件をクリアできる島外ボランティアを募集したいとのことでした。

 島外災害ボランティアの参加条件
 ①宿泊手段が自力で確保できること(水害警報が出るため野営は出来ません。)
 ②移動手段が確保出来ること
 ③ヘルメットや長ぐつ、マスクや手袋など、水害活動に適した装備を持参できる人
 ④ボランティア保険に加入済みであること
など、災害ボランティアとして被災地に行くのであれば、至極当然な条件であります。

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 さて、27日の夜、東京・竹芝の客船ターミナルより大型客船に乗船。偶然にも先日の日本防災士会NBC災害研修会でお話を聞いた、東京消防庁第9方面ハイパーレスキュー隊の皆さんとご一緒の便でありました。
 翌朝28日の午前6時に伊豆大島の岡田港に入港し、レンタカーをピックアップ後、被災地へ向かいました。
土石流災害の現場は、早朝だったので自衛隊などの捜索活動は、まだ始まっておりませんでした。
現場はひどい惨状であり、自分が過去に活動した阪神大震災や、東日本大震災の気仙沼で見た光景がフラッシュバックしているかのようでした。
 そして朝8時ごろに大島町役場のそばにある、大島社会福祉協議会の災害ボランティアセンターに向かいました。知合いの社協職員と挨拶したのち、災害ボランティアとして登録を行い、ミーティング後に本日のニーズ発表となり、私は土石流の流れ込んだ民家の泥出しを6名のボランティアさんと担当することとなりました。

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 派遣先の現場は、狭く暗い納屋の奥までヘドロが堆積しており、ご高齢の家主さんだけでは到底処理しきれない量でありました。ヘドロも、火山灰を多く含んだ泥のために、今まで経験したこともないような重さでした。また、上流部にあったガソリンスタンドが流されたせいか、石油の匂いが混じるヘドロでありました。
 水害ボランティアでは、よく「泥を見ずに人を見よ」と言われます。泥出しの作業に追われていると、目の前の泥ばかりに気を取られて、肝心の被災者に寄り添う気持ちが薄れてしまうことを言い表した言葉です。今回、薄暗い納屋の奥で、ヘッドランプの明かりを頼りに作業をしていると、自分もいつしか目の前の泥に目を奪われており、ただ闇雲にヘドロと格闘しておりました。そんなさなか、リーダーさんは、全体の休憩時間を利用しては、積極的に被災された依頼主に語りかけている姿が目に入りました。
その時まさに、この言葉を思い出した瞬間でした。「泥を見ずに人を見よ」
おかげで、キツイ作業もみんなが笑顔を絶やすことなく、声を掛け合いながらボランティア全員が力を合わせて、なんとか一日で作業を完了することができました。お礼を述べる家主さんの嬉しそうな笑顔、まさにプライスレスな瞬間でありました。
 翌日の29日は、早朝より大雨に見舞われました。それでも20名ほどのボランティアが集まり、社協が派遣先を調整して、屋内の泥出しを行うことを決定しました。われわれの班、7名で向かった先は、民宿を営むご高齢の夫婦のお宅でした。屋外に堆積していた土砂は、前日までにボランティアにより掻き出されていたので、本日は床下に入り込んだ泥を掻き出す作業に当たることとなりました。水を吸った重い畳をどかし、床板を剥がして行きます。
床板を剥がすと、中からは不気味な色をしたヘドロが堆積しておりました。それを手作業で掻き出す作業です。
午前中までにどうにか床下を剥がし終え、午後からは本格的に泥だしを行いました。この日は作業を完了することはできませんでしたが、明日もボランティアを派遣してもらえるように申し送ることを、依頼主さんに伝えて撤収。やはり依頼主さんからは沢山の笑顔とねぎらいの言葉をいただきました。(この日の様子は、10月30日の朝日新聞に掲載されました)

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 今回はこの二日間でボランティア活動は終了し、翌日の30日の高速船で東京に戻りました。
この大島の活動のために使用したルートや便利情報などを、下記に掲示いたします。

往路船便は、東京竹芝桟橋から22時発の大型客船を使用。(¥4,670インターネット往復割引あり)
現在は各船室とも空席が多い。(週末は等級によっては満室になるかも)
翌朝6時に大島岡田港に到着するので、その日の朝から活動ができる。
岡田港からボラセンまでは、市営バス1番乗り場から「元町行き」に乗車して町役場で下車。
ボラセンは町役場のすぐそば。

復路は10:45発の高速船で、竹芝まで1時間40分ほど。(先週の台風接近時は一時避難者優先でしたが、現在は平日の空席多数)

島にはコンビニはありません。
食料品に関しては、自分は携帯糧食を東京から持参しましたが、ボラセンのすぐ隣に、食料品やお弁当を販売するスーパーが営業しています。

携帯電話はドコモは3G通信で問題なく使えますが、auに関しては通じにくくなっています。ソフトバンクは未調査です。
以上となります。

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 元町の役場周辺は甚大な被害が発生していますが、それ以外の場所でしたら宿も営業されているし、レンタカーも大手以外のお店なら比較的取りやすいです。また、連絡船の到着港から町役場までは、路線バスも走っているので、元町地区の民宿が取れたらレンタカーは必要ないかもしれません。ただし、くれぐれも「行けば何とかなる」的な考えで、島に行くことはお控えください。社協ボラセンも対応を協議しつつ、受け入れ態勢を変更する場合もございます。行かれる際は、大島社協のフェイスブックのページをよく確認してからにしてください。
今回は宿泊費が嵩むとの声を耳にしますが、元町地区はもともと観光で栄えていた街です。支援する気持ちで、ぜひ民宿やゲストハウスを利用しましょう。
 さて、わずか2日間の活動ではありましたが、多くの島民の方々と触れ合うことができました。今回はボランティア以外でもちょっとしたエピソードがありましたのでご紹介します。

 現地で知り合ったボランティアさん達と、夕食を食べに行った帰り、雨で途方にくれている我々を見て、「乗って行きませんか?」と声をかけてくれた地元の若いカップル。
軽自動車の定員オーバーのため、彼女をお店で待たせて、わざわざ私たちを宿まで送ってくれました。

 一人で立ち寄ったラーメン店のおばちゃんは、世話好きな人で、たくさんの世間話と商売そっちのけで、あれやこれやとサービスのつまみを出してくれて、お土産のアメまで頂いたり。
別に「自分はボランティアできています」なんて言っていないにもかかわらず、皆さん本当に親切にしてくれます。

 都会で薄れかけている人情。
決して流行り言葉ではない、本当の「おもてなし」の心が若い人達にまで浸透している、伊豆大島。

私も、今後も関わって行きたいと思います。
以上、報告を終わります。

           日本防災士会東京都支部多摩ブロック 
             事務局長 井上 英徳
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「防災パネル展示を開催」

金井貴子(兵庫県 防災士)
                              NPO法人兵庫県防災士会
                               (西播地域)金井 貴子
               「防災パネル展示を開催」

 赤穂市城西地区で「ふれあいまつり」が開催され、会場の公民館入口にて「防災コーナー」が設置され防災士の活動をパネル展示で紹介させて頂き震災の教訓等を防災士が語り部となって見学者にお伝えした。
           ― 記 ―
 ・日時 平成25年10月27日(日) 10:00~14:00
 ・場所 赤穂市城西地区公民館ほか
 ・参加者 金井貴子防災士を筆頭に地域の防災士6名が紹介係として活動した。

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☆地元の金井貴子防災士中心となって震災の激しさ、現地の状況、立上る人々の姿、そして日頃の備えが如何に重要かを見学者にお伝えした。
 地域の状況を理解している見学者も多く特に津波に対しての関心も高く会場の公民館は海抜1m余と即答されていました。今後も地域の特異性を伝え防災・減災の意識を高めていきたい。―以上―(文責:森川輝良)

25年度 徳島県地域防災推進員フォローアップ講座で講師を担当

金山 利勝(徳島県 防災士)

   25年度 徳島県地域防災推進員フォローアップ講座で講師を担当

 徳島県が徳島大学と連携して養成した地域防災推進員が、引き続き地域防災を牽引するリーダー的な役割を担い、行政と協働して防災活動を積極的に推進できるよう、地域防災推進員のさらなるスキル
アップを図ることを目的に、地域防災推進員フォローアップ講座が平成25年10月5日に徳島県立防災センターで開催されました。

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 この講座で、徳島県支部の金山利勝防災士が「避難所運営ゲーム(HUG)」の指導講師として担当しました。

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 参加した「地域防災推進員」は、防災リーダーとして積極的に地域の防災活動に取り組んでいる方々であり、避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験し、避難所運営について学んでもらいました。

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 以上の他、防災士として地域に出向いての防災出前講座や防災ワークショップは、7月に7回、8月に5回、9月にも5回実施しておりこれからも機会をいただければ、地域での防災意識の啓発にお役に立てればと思っています。     (徳島県支部 金山利勝)
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日本防災士会は、会員相互のネットワーク構築とスキルアップを支援し、地域防災力の向上に寄与することを基本理念として活動に取り組んでいます。

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